オンライン対戦でラグが目立ったり、ダウンロードが途中で遅くなって進行が止まるとストレスが溜まりますよね。
原因の一つとして見落とされがちなのがPS4のMTU設定で、値次第で遅延や切断、通信速度の低下が起きます。
この記事では光回線やPPPoE、IPv6ごとの推奨MTU、PCでの適正値の測り方、PS4での実際の設定手順や動作確認方法を丁寧に解説します。
変更による効果が期待できる具体例や生じうる不具合、改善しないときの代替策にも触れるので実践しやすいはずです。
まずは簡単な確認から始めて、快適なプレイ環境を目指しましょう。
PS4のMTU設定と最適値
PS4 MTUの設定はオンラインプレイやダウンロードの体感に影響します。
ここでは一般的な回線別の目安と注意点をわかりやすく説明します。
推奨MTU値(光回線・IPv4)
光回線でIPv4を利用する場合はMTUを1500に設定するのが基本の目安です。
| 接続タイプ | 推奨MTU |
|---|---|
| 光回線 IPv4 | 1500 |
| 一般的なルーター経由 | 1500 |
| VPNを経由する場合 | 下げる必要がある |
PPPoE接続における推奨MTU値
PPPoE接続ではヘッダの分だけMTUを小さくする必要があります。
代表的には1492を設定することで安定することが多いです。
- 1492
- 1452
- 1400
実際の最適値はプロバイダやルーターの構成で変わるため段階的にテストしてください。
IPv6接続でのMTUの扱い
IPv6ではフラグメンテーションの扱いがIPv4と異なります。
通常はMTUが1280以上であることを前提に設計されています。
そのため多くのIPv6環境では手動でMTUをいじる必要は少ないです。
MTU変更で期待できる効果(遅延とダウンロード)
MTUを最適化すると小さな遅延改善が見られることがあります。
特にゲームのパケットが細かく分割される環境では応答性が向上します。
ダウンロード速度自体は回線帯域に依存するためMTU変更だけで大幅に向上することは稀です。
変更が有効な具体的なケース
PS4でオンライン対戦中にラグが頻発する場合はMTUを見直す価値があります。
VPNや一部のプロバイダを経由しているとパケット分割が発生しやすいためMTU調整が有効です。
大容量ダウンロードで断続的に接続が切れる場合にもMTUを下げることで改善することがあります。
MTU変更で起こり得る不具合の種類
MTUを不適切に小さくすると通信効率が下がり遅延やスループット低下を招くことがあります。
逆に設定を大きくしすぎるとパケットが破棄されて接続不安定になることがあります。
ルーターやプロバイダの仕様によっては一部サービスが正常に動作しなくなることもあるため注意してください。
PS4でのMTU設定手順
PS4のネットワーク設定画面からMTUを変更する手順をわかりやすくまとめます。
PS4 MTUは回線やルーターによって最適値が異なるため設定前に現在の値をメモすると便利です。
ネットワーク設定画面の場所
PS4のホーム画面から設定アイコンを選択してください。
設定メニューの中にあるネットワークを選んでください。
ネットワーク内のインターネット接続の設定項目を開いてください。
インターネット接続を手動で設定する方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接続タイプ | Wi-Fi または LAN |
| 設定モード | 手動設定を選択 |
| IPアドレス | 自動または手動 |
| DNS設定 | 自動または指定 |
MTU値の入力手順
- インターネット接続の手動設定を開始
- プロキシやDNSの設定画面を進める
- MTU入力欄が表示されたら数値を入力
- 入力後に次へ進んで設定を適用
設定保存と接続再確認の手順
設定を保存したらネットワーク設定画面に戻って接続状況を確認してください。
インターネット接続をテストして通信が安定しているか確認してください。
問題がある場合はMTUを標準の1500や1400などに変更して再テストしてください。
PCで最適なMTUを調べる方法
PS4 MTUを決める前にPCで正確な最大パケットサイズを把握すると設定が楽になります。
ここではpingコマンドを使った測定手順とDFフラグの活用法、測定結果からPS4向けMTUを算出する方法をまとめます。
pingコマンドによる最大パケット測定
まずは使用しているOSに応じたpingコマンドでICMPペイロードの最大値を探します。
ICMPペイロードの最大値にヘッダサイズを足すとMTUが分かります。
| OS | コマンド例 | 注意点 |
|---|---|---|
| Windows | ping -f -l 1472 example.com | 管理者権限推奨 |
| macOS Linux | ping -M do -s 1472 example.com | root権限が必要な場合あり |
コマンドのパラメータは環境で異なるので上の例を基準に数値を増減して試してください。
まずは大きめの値から始めてエラーが出たら値を小さくして最大値を探すのが簡単です。
DF(断片化禁止)フラグの使い方
DFフラグを使うと途中で分割されるパケットがブロックされるようになります。
これにより実際にネットワーク経路で許容される最大ペイロードを見つけやすくなります。
- DFフラグ付きでpingを実行
- パケットサイズを上げていく
- 分割禁止で通る最大値を確認
分割禁止の結果が得られたらその直前の成功値が実測ペイロードになります。
測定結果からPS4向けMTUを算出する方法
ICMPで測った最大ペイロードにIPv4ヘッダ20バイトとICMPヘッダ8バイトを足すとIPv4のMTUが求まります。
IPv6を使っている場合はIPv6ヘッダ40バイトとICMPv6ヘッダ8バイトで計算してください。
たとえばWindowsで1472バイトが最大ペイロードなら1472に28を足して1500がMTUになります。
PS4のネットワーク設定にはMTUを手動で入力する項目があるので計算結果を入力してください。
もしネットワーク機器にMTUを制限する設定がある場合はその値を下回るMTUを指定してください。
設定後はPS4でネットワーク診断を実行してパケットロスや遅延が改善されたか確認してください。
MTU変更後の動作確認方法
PS4のMTUを変更したあとに通信が安定しているかどうかを確認する手順をまとめます。
ここで挙げる方法を順番に試すことで速度や応答性、切断の有無を個別に検証できます。
速度測定サイトでのダウンロード確認
まずはインターネット回線の基本的なダウンロード速度を測定します。
測定は有線接続と無線接続の両方で行うと原因の切り分けがしやすくなります。
- Fast.com
- Speedtest by Ookla
- BNRスピードテスト
- Google インターネット速度テスト
複数のサイトで測定を行い結果のばらつきを確認してください。
測定は数回実施して平均値や最大最小を確認すると変化が見えやすくなります。
Pingによる応答速度確認
Pingで遅延の有無を確かめるとオンラインゲームでの体感ラグを予測できます。
PS4から直接Pingを送ることは制限があるためPCからPS4やルーター、ゲームサーバーへPingを送って確認してください。
計測時はバックグラウンドのダウンロードやストリーミングを停止しておくと正しい値が得られます。
| Ping値 | 目安 |
|---|---|
| 20ms以下 オンライン対戦に最適 |
快適 目立ったラグなし |
| 20ms〜80ms 許容範囲 |
一般的なプレイ可能 一部の競技性の高い場面で差が出る |
| 80ms以上 要注意 |
ラグを感じやすい 切断リスクあり |
Pingの応答が安定しているかを数分間観察して変動幅も確認してください。
オンラインゲームでのラグ・切断確認
実際にPS4でゲームを起動してラグや切断が発生しないかプレイして確認します。
簡単な対戦や協力プレイを短時間行い、入力遅延や通信断が発生するかをチェックしてください。
NATタイプやポート開放の状態も併せて確認すると切断原因の特定に役立ちます。
症状が出る場合はMTUを変更する前の値に戻して改善するかどうかを試してください。
ルーターやPS4のログ確認
ルーターのログを確認して頻繁な再接続やエラーが記録されていないかをチェックします。
ルーターのログにPPP切断やDHCPの再割当てがある場合は回線側や設定に問題がある可能性があります。
PS4のネットワーク診断機能でエラー表示や詳細な接続状態を確認してください。
ログのタイムスタンプと切断が発生した時刻を照合して原因箇所を特定していきます。
必要に応じてISPやルーターメーカーのサポートにログ情報を提示して相談してください。
MTUで改善しないときの代替対策
PS4 MTUの調整で問題が解決しないときは他の設定や環境を見直すのが効果的です。
接続安定性や応答速度を総合的に改善するための優先順位を考えながら対策を試してください。
DNS設定の見直し
DNSが遅いとゲームやダウンロードの待ち時間に影響が出ることがあります。
PS4本体やルーター側でDNSを手動設定して速度や応答性を比較してください。
- Google DNS 8.8.8.8 8.8.4.4
- Cloudflare DNS 1.1.1.1 1.0.0.1
- OpenDNS 208.67.222.222 208.67.220.220
- ISP指定のDNS
設定後はDNSキャッシュの影響を避けるためにPS4を再起動して挙動を確認してください。
有線接続(LAN)の導入
無線環境で安定性に不安がある場合はLANケーブルでの有線接続を検討してください。
有線接続はパケットロスや遅延が減り、PS4 MTUの最適化とも相性が良いです。
可能であればギガビット対応のケーブルとルーターを利用するとより効果を実感できます。
ルーターのポート設定とUPnP確認
オンラインゲームでは特定のポート開放やUPnPの有無が安定性に直結します。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 必要ポート | 3478 3479 3480 |
| 設定方法 | ポート転送設定 |
| UPnP | 有効化推奨 |
ルーターの管理画面でPS4に関連するポートが正しく開放されているか確認してください。
UPnPを有効にして接続テストを行い、必要に応じて手動で固定IPを割り当てると効果が出る場合があります。
回線種類の変更検討(光回線など)
現在の回線の帯域や品質が原因であれば回線種別の変更が根本的な改善になります。
光回線は安定した速度と低遅延が期待できるためPS4のオンライン体験が向上しやすいです。
プロバイダの混雑状況や利用プランも確認して最適な選択を検討してください。
推奨のPS4ネットワーク設定と次に行うこと
有線接続を優先すると安定性が向上します。
PS4 MTUは初期値の1500を試し、問題があれば10ずつ下げて接続が安定する値を探してください。
DNSはGoogleの8.8.8.8やCloudflareの1.1.1.1を手動設定すると応答速度が改善する場合があります。
ルーターでUPnPを有効化し、必要ならPS4用の固定IPとポート開放を行うとNATタイプが改善します。
設定後はルーターとPS4を再起動し、接続テストとオンライントラブルの確認を行ってください。
