有線接続なのにPingが高くてゲームやリモート作業がつらい、という経験は多いはずです。
原因はLANケーブルやPC設定、ルーター、プロバイダーなど多岐にわたり特定が難しいことが問題です。
この記事では『有線なのにPingが高いPC』と感じた時にまず確認すべき項目と簡単に試せる診断手順をわかりやすく解説します。
ケーブル規格やポート速度、ドライバー、バックグラウンド通信、ルーター設定やプロバイダー由来の遅延まで幅広くカバーします。
最短で試せる対策と判断基準も紹介するので、まずはこの記事のチェックから始めてください。
有線なのにPingが高いPCでまず確認する項目

有線接続なのにPingが高いPCは原因が複数重なっていることがよくあります。
ここでは優先的に確認したいポイントをわかりやすく並べます。
LANケーブル規格(Cat5e/6/6a)
LANケーブルの規格は通信速度と安定性に直結します。
Cat5eは一般的な1Gbps利用で問題が少ない規格です。
Cat6は高周波ノイズ耐性が強く短距離での安定性が高いです。
Cat6aは10Gbpsまで対応するため将来性があります。
古いケーブルや損傷したコネクタは遅延やパケットロスの原因になります。
LANポートの速度とデュプレックス設定
PC本体とルーターやスイッチのポートでリンク速度が一致しているか確認してください。
フルデュプレックスとハーフデュプレックスのミスマッチは遅延と衝突を生みます。
OSのネットワーク設定やNICのプロパティからリンク速度とデュプレックスを確認して調整してください。
リンク状態 | 推奨設定 |
---|---|
100Mbps Half Duplex |
ギガビット対応を検討 デュプレックスをフルに設定 |
1Gbps Full Duplex |
通常運用で問題なし ドライバー最新化を維持 |
リンク切断 速度変動 |
ケーブル交換を検討 ポートの物理チェック |
ネットワークアダプタードライバー
ネットワークアダプターのドライバーが古いと最適な動作をしません。
メーカーサイトやWindows Updateで最新ドライバーを適用してください。
ドライバー更新で問題が悪化した場合はロールバックも試してください。
省電力設定が有効だとNICがスリープして遅延を招くことがあります。
電源管理設定で省電力オプションを無効にして動作を確認してください。
バックグラウンドのネットワーク使用
バックグラウンドで帯域を消費するプロセスがないか確認してください。
頻繁にデータをやり取りするアプリはPingを押し上げることがあります。
- Windows Update
- クラウド同期ソフト
- ゲームランチャーの自動更新
- Torrentやファイル共有アプリ
- 大量のブラウザタブ
タスクマネージャーやリソースモニターでネットワーク使用率を監視してください。
DNSサーバー設定
遅延の一部はDNS解決の遅さに起因することがあります。
標準のプロバイダDNSが遅い場合はCloudflareやGoogle DNSに変更して比較してください。
nslookupやpingで名前解決時間と応答を確認してください。
DNSキャッシュをクリアして改善するかどうか試してください。
ルーター機器の状態
ルーターやスイッチが高負荷だと応答が遅くなります。
機器の再起動で一時的に改善することが多いです。
古いファームウェアはバグや性能低下の原因になります。
QoS設定やNATテーブルの飽和も遅延を引き起こします。
ルーターのログや接続数をチェックして異常がないか確認してください。
プロバイダー側の影響
ISP側の回線混雑や経路問題でPingが高くなることがあります。
複数のサーバーや時間帯で速度と遅延を測定して傾向を掴んでください。
tracerouteで遅延が発生しているノードを特定すると原因切り分けがしやすいです。
プロバイダーに相談すると回線側の障害や設定問題を確認してくれます。
LANケーブルの物理チェック

有線なのにping高い PC の場合はLANケーブルの物理的な問題が原因になっていることが多いです。
まずはケーブル本体と接続部分を順に確認して無駄な交換や設定変更を減らしましょう。
ケーブル規格
古い規格のケーブルを使っていると帯域やノイズ耐性の差で遅延やジッターが発生しやすくなります。
特にギガビット以上の環境でCat5や断線の多いケーブルを使っている場合は要注意です。
規格 | 最大周波数 | 推奨用途 |
---|---|---|
Cat5e | 100MHz | 家庭内ネットワーク一般 |
Cat6 | 250MHz | ギガビット通信や短距離高速通信 |
Cat6a | 500MHz | 高密度環境や安定した高速通信 |
まずはケーブルの規格を確認して用途に合っているかを確認しましょう。
必要ならCat6以上のケーブルに交換して挙動が改善するか試してください。
コネクタの損傷
コネクタの物理的な損傷や汚れは接触不良を招いてパケットの再送や遅延につながります。
抜き差しの多いポートや古い機器の差込口は特にチェックポイントです。
- 割れたラッチ
- 曲がったピン
- 緩い抜けやすい接続
- 酸化や腐食の痕跡
- 端子内部のゴミやほこり
目視で明らかな損傷があればケーブルまたはコネクタを交換して再テストしてください。
見た目に問題がなくても別のケーブルを差し替えて挙動を比較するのが手っ取り早い診断方法です。
配線経路の干渉
電源ケーブルやモーターなどからの電磁干渉はLANケーブルの信号品質を悪化させることがあります。
特に長距離を電源ケーブルと並行して配線している場合はクロストークやノイズが発生しやすくなります。
ケーブルが強く折れ曲がっている箇所やコネクタ周辺で引っ張られている箇所は断線の温床になります。
配線の対策としてはルートを変える、シールド付きのケーブルを使う、配線クリップで無理な曲げを避けるなどがあります。
ルート変更やシールド化で改善しない場合は中継機器やハブの故障も疑ってください。
PC側の設定確認

有線なのにping高い PCの原因はルーターや回線だけでなくPC側の設定にもよくあります。
ここでは接続アダプターの速度設定とTCP/IPの調整、電源管理のチェックを順に見ていきます。
アダプター速度設定
ネットワークアダプターが誤った速度やデュプレックスで動作していると遅延が発生します。
デバイスマネージャーから該当アダプターを選びプロパティの詳細設定を確認してください。
- 自動ネゴシエーション
- 1000Mbps 全二重
- 100Mbps 全二重
- クローンやUSBアダプターの確認
自動ネゴシエーションで不安定なら接続機器に合わせて明示的に1000Mbps 全二重や100Mbps 全二重に固定してみてください。
ケーブルやハブの規格も確認してカテゴリ5e以上のケーブルを使っているか確認してください。
TCP/IP設定
IP設定やMTU値が適切でないとパケット分割や再送が増えpingが高くなることがあります。
項目 | 推奨設定 |
---|---|
IPアドレス取得 | 自動取得 または 固定の正しい設定 |
DNS | ISP または 公開DNSの設定 |
MTU | 1500 または 回線に応じた最適値 |
コマンドプロンプトでpingやtracertを実行して応答時間や経路を確認してください。
必要に応じてnetsh int ip resetやTCPの再登録で設定をリフレッシュしてみてください。
電源管理設定
省電力設定でNICがスリープしたり性能が落ちると遅延が発生します。
デバイスマネージャーのネットワークアダプターの電源管理タブで「コンピューターの電源を切れるようにする」のチェックを外してください。
Windowsの電源プランを高パフォーマンスに切り替えてネットワーク関連の省電力を無効にしてみてください。
ノートPCで有線接続アダプターがUSB経由の場合はUSBの省電力設定も確認してください。
PC側のソフトウェア確認

有線なのにping高い PC の多くはソフトウェア側に原因が潜んでいます。
まずはPC側の設定と常駐プログラムを順に確認しましょう。
常駐アプリのネットワーク使用
常駐アプリが帯域や処理を占有すると、pingが高くなることがあります。
特にバックグラウンドで通信する同期系やアップデータは要注意です。
- クラウド同期ツール
- 大型アップデータ
- チャットアプリの自動更新
- ブラウザ拡張の自動通信
- P2Pソフト
タスクマネージャーでネットワーク使用率を確認して、不要なプロセスを終了してみてください。
必要ならスタートアップから無効にするかアンインストールを検討してください。
セキュリティソフトのフィルタリング
ウイルス対策やファイアウォールのパケット検査が遅延を生むケースがあります。
特にトラフィックを詳細に解析する機能を持つソフトは影響が大きいです。
ソフトの種類 | 影響の例 |
---|---|
リアルタイムスキャン | 送受信遅延 |
パケットフィルタ | 初期接続遅延 |
ネットワーク監視 | 断続的な遅延 |
サンドボックス | 接続確認待ち |
一時的にセキュリティソフトを無効化してpingが改善するか確認してください。
無効化する前にネットワークを信頼できる状態にして作業を行ってください。
仮想ネットワークアダプタ
VPNや仮想化ソフトがインストールすると仮想アダプタが作成され、ルーティングに影響を与えることがあります。
不要な仮想アダプタが優先されると、有線接続なのに遠回りする経路が選ばれる場合があります。
デバイスマネージャーで仮想アダプタを確認し、一時的に無効化して変化を確かめてください。
複数のネットワークアダプタがあると優先順位も関係するので、アダプタの優先度設定も見直しましょう。
ルーター設定の確認

ルーターの設定は有線なのにping高い PC の原因になっていることがあります。
まずはルーターの基本設定を見直して通信の優先順位や帯域制御がどうなっているか確認しましょう。
QoS設定
QoSは特定の機器やアプリに帯域を優先的に割り当てる機能です。
誤った設定でPC側の優先度が低くなっていると遅延が発生しやすくなります。
設定を確認する際は次のポイントをチェックしてください。
- QoSが有効か無効か
- 優先度の割り当て先
- アップストリームとダウンストリームの設定
- デバイスの特定方法(IP固定かMAC指定か)
必要であれば一時的にQoSを無効にしてpingを確認してみてください。
また、ゲームやビデオ会議を優先した設定に変更すると改善する場合があります。
ファームウェア状態
ルーターのファームウェアが古いと不具合や遅延の原因になることがあります。
公式サイトで最新版が出ていないか確認して必要なら更新を行いましょう。
状態 | 推奨アクション |
---|---|
最新版適用済み | 安定運用 定期確認 |
最新版未適用 | ファームウェア更新 再起動を実施 |
ベータ版使用中 | 安定版へ戻す 動作確認 |
更新後はルーターを再起動して設定が反映されているか確認してください。
更新ログや既知の不具合情報も合わせて確認すると原因特定が早まります。
ログと同時接続数
ルーターのログを確認すると接続エラーや大量のセッションが見つかることがあります。
同時接続数の上限に達していると新規パケットの処理が遅れ、pingが高くなることがあります。
家庭用ルーターはP2Pや多数のIoT機器で簡単に負荷が上がるため注意が必要です。
ログの見方としてエラーや再接続の頻度をチェックし、怪しいIPやデバイスを特定してください。
接続数を減らす方法としては次のような対策が有効です。
- 不要なデバイスの切断
- P2Pや大容量ダウンロードの一時停止
- ルーターの設定で同時接続上限を調整
必要ならルーターのリセットや高性能モデルへの買い替えも検討してください。
以上の確認で改善が見られない場合は通信事業者やメーカーサポートに相談するとよいでしょう。
測定と診断の手順

有線なのにping高い PC の原因を絞り込むための基本的な測定手順を示します。
順を追って実行することで回線側か機器側かを切り分けられます。
Ping連続測定
まずは安定したターゲットに対して連続的にpingを飛ばして挙動を確認します。
Windowsではコマンドプロンプトで ping -t 8.8.8.8 を実行します。
LinuxやmacOSでは ping 8.8.8.8 を実行して指定時間分の結果を観察します。
- 対象は外部の安定したDNSなどを選ぶ
- 連続測定は最低1分以上行う
- ピークだけでなく平均値と変動幅を確認する
- ルーターやモデムの再起動後にも測定する
測定中の最大値やジッターの発生タイミングをメモします。
traceroute結果
tracerouteやtracertで経路上の遅延が発生している箇所を特定します。
Windowsでは tracert 8.8.8.8 を使います。
LinuxやmacOSでは traceroute 8.8.8.8 を実行します。
経路上で特定のホップから急に遅延が増える場合はその機器や経路が原因の可能性があります。
タイムアウトや応答なしが多発する場合はパケットロスが発生しているかルーターがICMPを制限している可能性を考えます。
ローカルネットワーク内で遅延が発生しているならスイッチやNASなどの機器を疑います。
帯域測定
帯域が逼迫していると遅延が悪化することがあるため速度測定を行います。
SpeedtestやFastなどのオンライン測定を複数回行って平均値をチェックします。
測定項目 | 目安と対応 |
---|---|
ダウンロード速度 | 契約値に近いかどうかを確認する 低ければISPや回線終端機器を確認する |
アップロード速度 | アップロードが極端に遅いと応答性が悪化する 同時アップロードを止めて再測定する |
レイテンシ平均値 | 普段の値と比較する 高ければ上位ルーターやISPに相談する |
ネットワーク負荷が高い時間帯と低い時間帯で比較することも重要です。
パケットロス確認
パケットロスがあるとping値が不安定になったり遅延が増えたりします。
pingコマンドで複数送信して応答率を確認します。
Windowsでは ping -n 100 8.8.8.8 のように多数回送るとロスの有無がわかりやすくなります。
スイッチのポートやLANケーブルを別のポートやケーブルに交換して再測定します。
NICのドライバー更新や省電力設定の無効化も試してみます。
社内ネットワークやISP側でパケットフィルタやQoS設定が影響していないかも確認します。
これらの手順で原因の切り分けを行い問題箇所を特定してください。
プロバイダー由来の遅延の見分け方

有線接続なのにPCでpingが高いと感じるときはまず接続環境とプロバイダー側の影響を切り分けることが重要です。
下の方法で順に確認するとプロバイダー由来か端末側かを判断しやすくなります。
時間帯別の遅延比較
夜間やゴールデンタイムにだけ遅延が増える場合は混雑が原因である可能性が高いです。
深夜や早朝など利用者が少ない時間帯に同じサーバーへpingを送って平均値を比較してください。
連続で測定する場合は一定間隔で100回以上の計測を行い平均と最大値を確認するとブレが見えてきます。
有線なのにping高い PCという状況ならば昼と夜の差が大きいかを特に注目してください。
ISP経路の確認
tracerouteやtracertを使って経路上の遅延がどこで増えているかを確認してください。
経路上の特定のホップで応答遅延が大きい場合はそこのネットワークがボトルネックである可能性があります。
観察結果 | 示唆される原因 |
---|---|
安定して低遅延のまま | 端末側の問題の可能性が高い |
あるホップで急激に遅延上昇 | プロバイダー経路の混雑または障害 |
途中で応答が途切れる | 経路上のフィルタリングまたはルーティング問題 |
MTRなどの継続的な経路監視ツールを使うと時間変動を視覚的に把握できます。
経路上でプロバイダーのネットワークに原因があると推測できたらISPへ経路情報と測定結果を伝えて調査を依頼してください。
他端末での比較
同じLAN内の別の有線端末で同じサーバーへのpingを比較すると端末固有の問題かどうかが分かります。
ルーターやスイッチの別ポートに直接接続して再度測定する手順も有効です。
- 別の有線PCで測定
- ルーター直結で測定
- 別のLANポートで測定
- 可能なら別の回線で測定
他端末でも同様に高pingが出るならネットワーク側またはプロバイダー側の要因が濃厚です。
逆に他端末で問題が出ない場合は問題の端末のネットワーク設定やNICドライバーを見直すと解決することが多いです。
有線環境を改善する優先対策

有線なのにping高い PCの問題は原因が複数あるため順を追って潰すことが大切です。
まずは物理的な接続と簡単な設定から確認するのが近道です。
ケーブル交換
古いケーブルや破損したコネクタはレイテンシ悪化の原因になります。
ケーブルのカテゴリと状態を確認して必要なら交換してください。
- Cat5e 未満は交換推奨
- Cat6 以上を使用する
- コネクタの損傷をチェック
- 長距離は短くまとめる
ケーブルを交換したら速度とpingを再計測して改善を確認してください。
スイッチ/ルーター交換
古いスイッチやルーターは内部処理で遅延を生むことがあります。
特に家庭用で安価な機器はパケット処理能力が低く負荷で遅延が拡大します。
機器タイプ | 交換で期待できる改善点 |
---|---|
家庭用ルーター | 安定性向上 NAT処理高速化 |
ギガビット対応スイッチ | 帯域確保 遅延低下 |
マネージドスイッチ | QoS設定可能 トラブル診断容易 |
交換の際はギガビット対応かどうかとQoSの有無を確認してください。
最新のファームウェア適用も忘れずに行ってください。
PCをルーターに直結するテスト
まずはPCを中間機器を介さず直接ルーターまたはONUに接続してpingを測定してください。
中継機やスイッチ経由で改善するかを比較することで機器側か回線側かを切り分けられます。
直結でpingが改善する場合はスイッチや配線の問題を疑ってください。
直結でもpingが高い場合はPC側の設定や回線側の問題の可能性が高まります。
回線プランの見直し
回線自体の帯域や品質が原因で高pingが発生することがあります。
プロバイダの混雑時間や利用プランの上限を確認してください。
必要であればより低遅延をうたうプランや回線方式への乗り換えを検討してください。
障害や帯域制限が疑われる場合はプロバイダに障害状況とトラフィック制御の有無を問い合わせてください。
最短で試す手順と改善後の判断基準

有線なのにping高い PC の最短対処は、機器の再起動、ケーブルやLANポートの交換、Wi-FiやVPNの無効化を順に試すことです。
その後に行うべきは、PC側でネットワークアダプタの速度とデュプレックス設定を確認し、ドライバーを最新にすることです。
計測はまずデフォルトゲートウェイへのpingで局所の遅延を確かめ、次にISPのDNSや目的のサーバーへpingとジッターを測定してください。
改善の判断基準はゲートウェイへの応答が概ね5ms以内、ISPや主要サーバーが30ms以下、ジッターが10ms未満、パケットロスが0%に近いことを目安にしてください。
これらを満たさなければISPやルーターの交換を検討し、別のPCで同じテストをして原因の切り分けを行ってください。
短時間の対処で改善したら手順を記録し、定期的にチェックすることで再発を防げます。